曹彰とは？曹操の息子にして「黄鬚児」と呼ばれた猛将
三国志の世界では、父・曹操の影に隠れがちですが、曹彰（そうしょう／字：子文）は、勇猛果敢な将軍として知られています。
彼は曹操の三男で、兄にあたるのが後の魏の初代皇帝・曹丕です。
若い頃から弓馬を好み、武芸に優れていた曹彰は、髭が黄色かったことから「黄鬚児（こうしゅじ）」という異名で呼ばれました。これは当時の人々が彼の風貌と勇ましさを高く評価していた証です。
曹彰の武勇｜黄巾賊討伐と烏桓征伐で名を挙げる
曹彰がその武名を世に知らしめたのは、黄巾賊との戦いや、北方の烏桓討伐での活躍です。曹操の命を受けて出陣した曹彰は、激戦の中でも一歩も退かず、敵将を討ち取るなど果敢に戦いました。
特に烏桓討伐では、騎馬民族との過酷な戦いの中で指揮を執り、勝利に貢献。曹操はこれに深く感銘を受け、「わが子の中で、戦で最も頼れるのは彰である」とまで語ったといわれています。
政争と早世｜兄・曹丕との関係
しかし、曹彰の人生は順風満帆とはいきませんでした。父・曹操の死後、兄・曹丕が即位すると、兄弟間の緊張が高まりました。曹彰の軍事的才能は、時に脅威と見なされた可能性もあります。
一時は魏の任城王に封じられますが、中央から遠ざけられ、政治の表舞台に出ることはほとんどありませんでした。そして、わずか30代半ばで病死。その生涯は短くも劇的でした。
曹彰の評価と現代での再評価
古代の史書『三国志』（陳寿著）では、曹彰は「剛毅で謹直、軍事に秀でた将」と評されています。曹操の子としてだけでなく、一人の武将としての実力も高く評価される人物です。
現代のフィクション作品やゲーム、ドラマなどではまだ登場が少ないものの、近年の三国志再評価ブームの中で、曹彰に注目が集まることも増えています。
まとめ｜曹彰の生き様から学ぶこと
曹彰（子文）は、父・曹操の血を引きながらも、自らの武勇で歴史に名を残した武将です。その短い生涯の中で見せた忠義と実力は、今なお多くの三国志ファンの心を打ちます。
「勇気と誠実さは時代を超えて評価される」——曹彰の生涯は、私たちにもそう語りかけているようです。
